レイ・アマーダ ドラゴン型
   製作者:ゆーくさん


   設定:
帝国製
タイプ ドラゴン型
全長 17.2M
全高 6.4M
重さ 43.0T
速度 マッハ2.8

旧対戦時に製造されたながらも、未だに帝国軍空戦主戦力であるレドラーを,盗み取った共和国ゾイドのパーツ、技術を使って強化させた機体。

レブラプターやガンスナイパーと同じく、一部オーガノイドシステムを使用しており、戦闘能力は高いが、その分凶暴性が増してしまい、操作性は悪い。しかし、そのおかげで数々の強力平気を搭載する事が出来た。しかし、そのせいで発熱量を増加してしまったため、所々にエアーダクトを装備している。

追加された翼は、機体のスピード、旋回能力を強化し、レイノスクラスのドッグファイトが可能。

脚部パーツは、ライガーシリーズの物を使用しており、クローのパワーが急増した。しかし、機体重量も急増してしまっている。装甲も強化されており。ちょっとしたダメージではビクともしない。

背部のレーザーブレードは盗んだ共和国新型ゾイドのデータを元に作られている。が、いかんせん機体の出力がそこまで高いわけではないので、少々威力は低い。だが、装甲の薄い高速戦闘機に対しては絶大な威力である。

襟元にE−サラウンドと言う特殊なE−シールドを装備している。これにより空気抵抗が減り、スムーズな飛行が可能だ。この機体名の「レイ」とは、このE−サラウンドを展開した状態のレイがエイに見えることから名付けられた、と言われているが真相は不明。

そして、コントロールパネルの右手にある赤いスイッチ。このスイッチを押すと、O.Sの出力を急激に上昇させ、暴走状態にさせる。が、この機能を使ったホニャララはおよそ10分後にコアが停止してしまうという、もろばの剣である。

上記のように、オリジナルのレドラーを遙かに超えたレイだが、全体的な能力ではコスト面を除いて共和国高速戦闘機、ストームソーダに劣るため、初期ロットの七機を最後に生産はされていない。その七機さえも、共和国の誇る超音速機レイノスの改造機であるテンペストA型と高空で遭遇、先制攻撃を許してしまったため、本領を発揮する暇もなく、善戦の末に全機撃墜されている。


   コメント:
コイツには一番手間をかけてますね。珍しくパテを多用。珍しくマスキング。珍しく墨入れ。上から見ると何となくエイに見えてホシイです。ハイ。


   バトスト:
七機のレドラーが上空を飛行していた。
見た目はオリジナルのレドラーと殆ど違いは分からない。
ただ、横に長く伸びた翼が、普通のレドラーとの違いを見せていた。
その、V字にフォーメーションを組んだ姿は、まるでガンのそれの様であった。

「ふぅ・・・タイクツだな」
フォーメーションの中心にあるレイのパイロット、フィリップ・ゴア大尉がいかにもヤルキの無い声を出した。

「まだまだ、あと少なくとも一時間半はかかりますよ。覚悟しておいて下さい」
ゴアの横を飛行するレドラーのパイロット、コウ・ハリスがダメオシをする。

「はぁ・・・何で帝国一のエースパイロットがこんなところで油売ってるんだよ。俺たちの仕事は共和国を潰すことだろ?」
ゴアがため息混じりに言う。

「しょうがないですよ。ウチの基地はホエールキングなんて言う大それたゾイドなんて配備されてませんから」
ハリスがたしなめる。

「でも、いくら何でも“新型の強化型レドラーの輸送“なんだよぉ。いい加減俺たちもアッシー扱いかよ」
怒りがまんべんなく混入されたゴアの一言。

「まあ、あと一時間半を残すのみです。のんびり行きましょう。あ、しりとりでもしますか?」
「そんなことするか!ガキじゃあるまいし。オマエ、位の差を分かってないだろ!?」

その直後、ハリスが「いや、そんなことは・・・」と言い返そうとした時だった・・・
ピーピーピーピー
「?どうしたハリス!?」ゴアが驚いて聞く
「レーダーに敵ゾイドの反応が・・・・これは・・・レイノスですね。」
「なーに、レイノスなんぞこのゴア様にかかればメジロ同様。ひねり潰してくれるわ。ワッハッハ」
そう言って笑うゴア機を、六機のレイノスが襲う、速い。
「なっ・・・・!」
ゴアが驚く暇も無く、レイノスの波状攻撃を受けるレイ。他機が助けに行く暇も無い。放物線を描きながら海上に落下した。
そうすると、レイノスは様子を見るように一歩下がった。
「コイツはっ・・・・!」アランは脳内回線を探った。この機体に見覚えがあるからだ。
「思い出した!改造レイノス。テンペストだ。しかし、何故この空域に・・・・?」
実際には、テンペストB型である。レイノスの全能力をランクアップされた改造機だ。テンペストシリーズでも上位に入る性能を持つ。同じく改造機のレイと比べても性能は明らかに上である。

「クッ、全機、攻撃態勢を取れ!」アランが叫ぶと同時に、レイ全機がシールドを張った。この機体のみに搭載された特殊E―シールド、E-サラウンドだ。その名の通り機体の周りにシールドを張るタイプのシールドだ。
・・・・・・
ジリジリとしたにらみ合いのような時間。ソレを破ったのはテンペストであった。背部のブースターから火を噴きながら突進してくる。
「来たぞ!」アランが叫ぶ。
「フォーメーションB!」レドラーがVをナナメに傾けた様にフォーメーションを取る。
通常ならフォーメーションAが取られるハズであるが、ソレはゴアがそろわないと無理なフォーメーションであった。
「行くぞ!」
全ブレードを展開しながら、レイもテンペストに突っ込む。
「うぁぁぁぁぁ!」全パイロットが叫ぶ。命がけで突っ込む。勝てない戦いと知りながら、突っ込む。

デルダロス海の上空に、レーザーブレードが、黄金色に輝いた。黄昏が、輝いた。

二十分後・・・
レイ隊はアラン機一機を残し、全滅だった。
テンペストは六機全機無傷だ。
エネルギーも残り少ない、絶体絶命だった。
「くそぅ、こんな海の上でオレは終わるのか・・・・。故郷においてきた家族はどうなるんだ・・・・」
「・・・だな。オレはまだ死ねない。死ぬモンか!」
右手にある赤いボタンを見る。黄色と黒の縞模様の線で囲ってあり、上には透明なカバーが付いていた。
「行くぞ・・・・ここからが正念場だ・・・」
そう言うと、アランは、赤いボタンを右手で押した。口ではハッタリを言っているが、手は震えていた。
グォォォォォォン・・・・・
コアから不気味な起動音がする。
「隊長、オレはやって見せますよ。奇跡を起こして見せますよ」
レイの腹部が黄金色に光り出した。O.Sが暴走している。
「すまんな。これも運命なんだよ」
愛機に対してアランが寂しそうに言う。
レドラーが前進し始めた。
最初はゆっくりと進み、途中から急発進した。
「うぉぉっ!」強烈なGにアランが顔を歪める。
スピードメーターがマッハ5.7を表示していた。通常時の二倍以上の速度だ。
テンペスト四機に突っ込む・・・衝突した。
回避出来なかったテンペストが、半分に切断され、爆発した。

「な、なんだ・・・」アランの特攻にテンペスト隊は戸惑っていた。あまりにも速い。さっきまでの優勢が一気に逆転された。
「うろたえるな!相手はたかが一機だ!・・・こっちには三機も残りがあるんだ!大したことは無い!」額を脂汗で湿らせながらテンペスト隊、隊長が言う。が、その余裕は一瞬にして破られた。
水上から、もう一機のレイが飛び出して来たのだ。それは、最初に撃墜された・・・ハズのゴア機。コチラも腹部が光っている。
「へっ、やられたフリしてりゃぁいい気になりやがってよぉ、ダメだなぁ、敵に増援を呼ばれる様じゃぁなぁ!」ゴアが声をあげる。どうやら味方に無線で増援を要求していたらしい。
「なっ・・・戦機、直ちに帰還せよ!」テンペストがレイに踵を返す。が、その行き先を二機のレイが遮った。
「悪いけどなぁ。こいつらの命はせいぜい、あと十分しかネェんだヨ、隊長さんよ。俺らはこいつらの主だ。アンタたちを逃して見殺しにする事はできん。」ゴアが言う
「せめて、テンペスト5機は落とさせてもらいますよ」ゴアのいきなりの登場にオドロキながらもアランも口を合わせる。
「惑星Zi一のパイロットの力、見せてやるぜ!」
レイが急発進した。
ブレードが煌めき、レイノスを切り刻んでいく。
しかし、テンペストのパイロットも負けじと攻撃をよける。
そんな戦闘が10分程続いた・・・・
全部で7機のゾイドの内、5機が海面にその身を沈めた。

二年後・・・
10機のウォディックが深海を巡航していた。
すると、一人のパイロットが二つの不気味な陰を見つけた。
「あ、なんだあれ?」好奇心混じりの声だ。
「ブラキオスか何かだろ。昔戦闘があったからな。ココは」もう一人のパイロットが言う。
「いや、ありゃ飛行ゾイドだぜ。羽がある」好奇心旺盛なパイロットが少し威張った。
「ん?そうするとこりゃレドラーか」物知りそうなパイロットが言う
「でも、変なレドラーだな。まるでエイみたいだ」好奇心旺盛なパイロットが楽しそうに言う。
「確かに変わってるな。強化タイプのプロトか?」物知りそうなパイロットもこの機体の事はまるで知らないようだ。
二人が首をひねってると。無線からドスの効いた声がした。
「おーい、新米、ボーっとしてるとおいてっちまうぞ!」
「ああ、スイマセン中尉」声をそろえて謝る新米二人。急いで他の八機に付いていった。

―The End―

管理人メッセージ:
 投稿改造ゾイド33作目は、新規投稿者ブームは過ぎたかと思ったところで、初投稿のゆーくさんの作品です。

 全体の雰囲気はレドラーのそれでありながらも、各部のバランスを極端に変えることで、パッと見の「ぁ、レドラーだ」の後に、あれ?でもなんか違うぞ、と思わせてくれます。特に顔の小型化と四肢の大型化により、よく見ると全体のラインが元のレドラーとは異なっていることが分かります。

 色はレドラー本来の赤であり、銀のフレームと合わさって旧ゼネバスの色を彷彿とさせます。ただ、惜しむらくはせっかくの肩アーマーのクリアパーツと、アーマーの色が同じなので、クリアパーツが埋没してしまっているのが残念かな、と思いました。

 レドラー自体の完成度がかなり高いため、なかなか改造に乗り出せないryunossでした。

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