ヘリック共和国武器開発局所所属
「トラトン」(トラトン型)
製作者:なまぞうさん
設定: 既に知られていることではあるが、ヘリック共和国軍にはエウロペ駐留軍という組織がある。 エウロペ大陸では主戦場が暗黒大陸や中央大陸に移行した後も、古代遺跡や未だ知られていない野生ゾイドの生息地などを調査するためにエウロペ駐留軍の中で各種の調査隊が組織されていた。 そのなかでも南エウロペ大陸には未開の地がまだ残されており、古代遺跡や未知の野生ゾイドの生息地がある可能性があった。 そしてZAC2106年現在、いくつかの未発見の古代遺跡と大規模な未知の野生ゾイド生息地を発見している。 その未知の野生体群のなかで、今まで発見されたゾイドの中でも最大級の巨体を持つ野生体が発見された。 トラトン型野生体と名付けられたその野生体は、既知のカノントータス野生体と同じ系統の金属生命体だと考えられるものの温暖な環境故かカノントータスの仲間だとは信じられないほどの大きさに進化していた。なんと大きさでも体重でもマッドサンダー野生体すら上回っていたのだ。 今までの巨大ゾイドに例外なく当てはまることだが、巨大ゾイド野生体のコアはその巨体を支え、維持するために通常サイズのゾイドコアよりも遙かに強靱であることが知られている。だが、それでもトラトン野生体のコアはこれまでの常識を超える程の出力を誇っていたのだ。 この野生体を共和国軍ゾイド開発陣が見逃すはずが無かった。早速捕獲された一体が極秘に東方大陸に送られ、「トラトン級」巨大ゾイドの開発がスタートした。 まずこの野生体は水中・水上での活動は出来ないため、仕様としては「陸上戦艦」という位置づけとして開発が進められた。 また、ウルトラキャノンやゼネバス砲の技術を基に研究中の巨大砲も試験的に搭載する前提で設計された。 そして完成したゾイドは、今までの巨大ゾイドに勝るとも劣らない巨躯と巨大な砲塔、そしてぶ厚い装甲に覆われた異様な外観をもっていた。 野生体にあやかって「トラトン」と名付けられたその機体は、今までのヘリック共和国の巨大ゾイド開発ノウハウが隅々まで生かされた機体である。 全身の装甲は古代チタニウム装甲の研究から生まれた新素材と、耐爆材として最も優れていると言われた強化チョバムプレートとの複合装甲であり、 物理的な攻撃では微動だにしない。そして額と背部砲身上部、四枚の甲羅に光る装甲は新式のEシールドである。 これはマッドサンダーの反荷電粒子シールドを幾度にもわたる研究の末、強化したものであり実質、このシールドと装甲を通過した上で本体に打撃を与えることは不可能に近いと思われる。 そして背部にある巨大な砲塔は通称「トラトン砲」と名付けられた超長距離砲である。 基本的には1200ミリウルトラキャノンの技術をフィードバックして作られているものの、構造的に大規模な改修が加えられている。 まず発射時の反動を最小限に抑えるため、砲弾はミサイルに近い構造となっている。単純な威力としては勿論1200ミリ砲にはだいぶ劣るもののこの砲弾は極めて特殊な砲弾であり、発射すると空中である程度の数に分解する。 目標地点に着弾すると砲弾内部に凄まじい高熱が発生し、砲弾だけでなく着弾した地面も高熱で溶解させてしまう。 そして高熱で溶けた岩石が気化し、凄まじいまでの熱を持った爆風となり着弾地点周囲をまるで電子レンジの中のように変えてしまう。 これはウルトラキャノンだけでなく、かつて惑星Ziにカタストロフをもたらした隕石の研究も一部取り入れて完成させた砲弾である。(そのせいか「メテオスコール」と呼ばれる) だが当然発射できるほどの砲身を搭載できるほどのゾイドが不足していたため(ウルトラ、マッド共にこの時期極端に数が不足していた)試験的にトラトンに搭載されたのである。 また、通常兵器としてもあらゆる実弾兵器を満載し、並の飛行ゾイドは接近すらままならない。 だが、これだけの超重武装・超重装甲、600トンにも及ぶ巨体が災いし運動性能は最低レベルである。 しかし格闘性能は意外にも高い。マグネーザーのような突出した武器は無いが、この巨体自体がトラトンにとっては最大の武器なのだ。 機体の尻部分にはロケットブースターが搭載されている。これはもちろん、安定した巡航速度を出すためのものではない。瞬間的な瞬発力を出すためのものである。 600トンの鉄の塊が瞬間的に衝突する衝撃は凄まじいものであることは想像に難くない。さらに体当たりの際、Eシールドも出力を全開にする。 これはシールドライガーなどが行うシールドアタックの極端な例といえよう。当然、単発の威力はマッドサンダーのマグネーザーに勝るとも劣らないものとなる。 このように極端な差の激しさはあるものの総合的に高い戦闘力をもつトラトンではあるが、野生体コアのクローニングや育成、はたまたトラトン砲や超重装甲の建造にかかる費用が尋常ではない上本格的な量産に取りかかる前に終戦を迎えてしまったために一機のみが生産されたのに終わった。 だが、この一機は実戦テストも兼ねて中央大陸に送られた。公式記録では目立った戦闘を行ったという記録は無いが、帝国軍が極秘に開発していた新型デスザウラーを含む部隊と遭遇、死闘を繰り広げたという噂がある。 コメント: 今回のモチーフは見た目以上にマイナーです。出典は未来の生物を科学的に予測したシリーズ「フューチャー・イズ・ワイルド」からで、一億年後の地球に生息すると言われる生物で現代の亀が120トンもの大きさに進化した生物「トラトン」です。 モチーフのイメージに近づけるためにも、ひたすら巨大感を追求して製作したつもりです。 顔内部に電飾を仕込んであるので、目と額の六角形(シールド)が発光します。 また、その他の六角形も光らせたかったのですが、電飾をそこまで配置するのは難儀でしたのでホログラムステッカーを張り込んで表現しています。 また、動力は残してあるので(物凄く無理してますが)歩行可能です。 |
管理人メッセージ: 投稿改造ゾイド62作品目は、マイナーモチーフ改造ゾイダーことなまぞうさんより、超大型ゾイド「トラトン」です。 まず、写真のフレームに収まってしまっていることを惜しまずにはいられません。幸いにも完成直前の実物を拝見する機会を得られたのですが…ただひたすらに、でかいです。バスターキャノンや前足のゴジュラスの足でその大きさが推測出来るかと思いますが、おそらく、実物の圧倒的迫力はその予想の1.5倍は行くかと思います。 また、ただ大きいだけの作品ではありません。いろいろなゾイドのパーツをペーストすることで、巨体にあわせたディティールの密度を実現されています。胸部に配置されたアタックユニットのキャノン、ゴジュラスの小型2連装砲、ガンスナのミサイルポッド、首から頭部にかけてのパーツ構成など、細かいところでのパーツの選択センスが非常に高いです。 しかも、これだけのプロポーションを実現させつつ、頭部発光ギミックや電動歩行(!)なども実現されており、非常に高いレベルの改造作品だと思います。 …既存機のバージョンアップや武装追加改造程度しかできないウチには到底到達不可能なレベルの作品のような気がします。ただ一言「圧倒」がこの改造作品にはふさわしいと思います。…ご投稿、誠にありがとうございましたm(_ _)m。 |