ゾイドキットレビュー 「凱龍輝」



勝利して還るためのゾイドであり、集光パネルが光り輝くことから「凱龍輝」という名が付いた。
また、ZOITECに対する感謝の意を込めて、東方大陸の文字を使用したらしい。

 お気楽キットレビュー第8弾。お題は新世代ゾイド、凱龍輝です。以下、説明書内機体解説。

 惑星Zi大異変の影響を色濃く受けた東方大陸では、野生ゾイドが絶滅の危機に瀕しており、生態系さえ崩れかけていた。ブロックスという人工ゾイド技術は、それ故の必然的な発展だった。
 共和国技術陣は、新型ゾイド開発にあたり強力な大型野生ゾイドを求めたが、東方大陸で要求を満たす個体を探すのは困難であった。そこで同盟を結ぶガイロス帝国に、野生ゾイドの提供を要請。暗黒大陸戦争の傷が癒えないガイロスにも、新たな野生ゾイドを捕獲する余力はなかったが、ネオゼネバスの台頭をこれ以上見過ごすわけにはいかず、現在保有する中で最強のティラノサウルス型野生ゾイド(バーサークフューラーの元になった野生体)を提供した。
 これにより共和国技術陣とZOITECは、バーサークフューラーにゴジュラス系ゾイドの技術とブロックスの技術を融合。新型ゾイド「凱龍輝」として生まれ変わらせた。
 マグネッサーウィングと両足のイオンブースターにより、オリジナルのバーサークフューラーを凌ぐ機動性を得た凱龍輝は、同時にバイトファングと四肢の爪のキラークローによって格闘性能も強化された。
 また、オリジナルフューラーが生かしきれなかったCASには、ZOITECの誇るブロックス技術が組みこまれた。独立した1個体のブロックスを、B-CAS(ブロックスチェンジングアーマーシステム)として、2機共生させることに成功したのだ。ツバメ型ブロックス「飛燕」とカブトガニ型ブロックス「月甲」である。
 この2機は、それぞれ無人機として独立し、空・海での偵察や戦闘にあたる。凱龍輝はこの2機を運用する司令機でもあるわけだ。さらに、同時期に開発されたブロックス・ディスペロウ、エヴォフライヤーとはゾイド核のリンクがはかられ、この2機と融合することで、さらなる格闘性能と火力の増強を可能にする。
 そして、対セイスモサウルス用の切り札となるEシールド、ゴジュラスギガの古代チタニウム合金より開発された「集光パネル」。敵の放った光線兵器の攻撃を吸収し、威力を半減させることが出来る防御装備だ。しかも、吸収した荷電粒子を体内で休息生成し「集光荷電粒子砲」として、打ち出すことも出来るのだ。
 セイスモサウルスを倒すために生まれた新世代ゾイド「凱龍輝」は、その名の通り共和国軍に勝利をもたらすことは出来るだろうか?


 改造プランは無く、かわりに箱にカラーバリエーション2種と、説明書に凱龍輝部隊カスタマイズバリエーション(エヴォフラ、ディスペとの合体例)が載っています。

装備:
 バイトファング
 キラークロー×4
 ビームバルカン×4
 集光荷電粒子砲
 集光パネル×11
 マグネッサーウィング×2
 イオンブースター×2
 コアブロック×2
 ブロックスマウント×19
機体:
 全長 / 23.8m 全高 / 12.6m 重量 / 118t 最高速度 / 290km/h



組立難度6というだけあって、パーツ数も多いです。
といっても、一部BFとランナーが共通で、余るパーツなどもあります。
しかし、説明書がフルカラーになったので大分分かりやすくなり、体感的にはBFよりも楽でした。
飾り台付属。キャップは白。


コックピットのクリアパーツには目の形がモールドされている。
左のはそれにそって内側を銀に塗ったもの。
ちょっと塗装するだけで大分目立ち、目らしくなる。

 以下、凱龍輝のブロックスとの合体チェンジマイズ例。

   ・凱龍輝バスター
 バスターイーグルのキャノンをつけただけのお手軽支援凱龍輝。


ちょっとヤクトフューラー風。

   ・凱龍輝スピード
 エヴォフライヤーと合体し、さらに機動性能を上げた機体。


この写真では、腕部ウェポンラックの構造がわかりやすいよう腕につける羽根を外してあります。


バックパックには上下逆にし、サイドに足をつけた顔がつきます。
…説明書の写真ですと、左側のブロックにつているように見えましたが、
いくら何でも片側というのはおかしいため、ブロックを一個噛ませてあります。

   ・凱龍輝デストロイ
 ディスペロウとの合体例。様々な火器で火力を大幅に増強している。
 ちなみに、説明書に載っている小さな写真では接続部が分からないため、写真はありません。

   ・司令凱龍輝と強化型飛燕、強化型月甲
 エヴォフライヤー、ディスペロウ両方を使った合体例。凱龍輝素体にコックピットを増設し、無人機の攻撃力を強化したもの。
 ちなみに、説明書に載っている小さな写真では接続部が分からないため、写真はありません。

 以下、B-CASブロックス




飛燕。
裏はスカスカな上、各パーツの接続のほとんどが独自規格のため、
チェンジマイズ用に使いやすいとは言い難いです。




月甲。
上部の機銃らしきモールドがビームバルカン。箱にしか書いてない謎武器。
後ろから見ると、思いの外スカスカ。

 ブロックスと通常のゾイドがセットになった初の製品。
 随分前から色の付いていない試作の写真などが公開されていましたが、漸く発売です。電動ゾイドにブロックスがそのままつくのは初めてで、ブロックス否定派の方などは扱いに困る機体ですが、出来は決して悪くないと思います。最も、合体するが故のデザインラインのちぐはぐさというのはまだ残っている感じです。素体は比較的直線ベースなのに、ブロックス3機は明らかに曲線多用のデザインなので。しかし、全身に配置されたクリアパーツなど、新しい意匠も施され、今後ゾイドがどのような方向に進んでいくのか、期待と不安が入り交じります。
 キットを見ると、クリアパーツと装甲パーツの間に少し隙間の空くもののそんなに精度も悪くないです。また、各部にブロックス対応の5mm径ジョイントがあり、いろいろなブロックスのパーツが無改造でもつけられます。単体での完成度、発展性を考えてもかなり高いレベルでまとまっているようです。
 BFを元としているためのプロポーションの悪さ(短足)は変わっていませんが、本家BFよりも装甲のバランスの関係でそれほど気にはならないかと思います。また、分離後のブロックスの裏はかなりスカスカですが、これはあくまでおまけ要素であると思えばそこまで望むのも贅沢かと思いました。
 …最大の問題はこの機体、設定上武器が格闘兵装と集光荷電粒子砲しかないことですね…。特にブロックス分離後、2機のブロックス達がどうやって攻撃するのかは謎です。せめて機銃なりなんなりはつけて欲しかったですね。あと、付属のバトスト。流れとしては…乗っ取ったドラグーンネストで上陸作戦>迎撃部隊蹴散らし>本家BFとバトル>荷電粒子砲跳ね返しあっさり勝利…ここまではまあ、良いですが…、そのあと…奪い取ったドラグーンネストに乗って悠々と引き上げ。…新兵器、実戦テストとはいえそんな易々と敵の目に触れさせて良いのでしょうか?(苦笑
 設定はともかく、バーサークフューラーより、わずかながら安くてこのプレイバリュー。アンチブロックスな人はB-CASなんて無視するも良し、ブロックス比対応に改造するも良し、また、ブロックス好きは自分流B-CASを開発するも良し、なかなりの良キットです。


TOP